ブレスト会議が終わったらすべきこと

ブレーンストーミング会議のやり方・まとめ方のテクニック

読み取り時間 : 約12分

トピック :

  • ブレインストーミング

考えをまとめて行動に移したり、旧来の問題を解決する新たな方法を見つけたり、リリース予定の製品にぴったりの大胆な名前を考えたりする際に、ブレーンストーミングは非常に強力なツールです。どの業界でも使え、効果的なコラボレーションを実現する助けとなります。

ブレーンストーミングのやり方やルールの復習

ブレーンストーミングの会議のまとめ方について知る前に、まずはその基本的な概念について復習しましょう。

ブレーンストーミングのやり方とルール

ブレーンストーミングを効果的に行うためには、いくつかの基本的なルールと原則を守ることが重要です。以下に、ブレーンストーミングの基本的な進め方と守るべきルールを紹介します。

  1. 目標の設定: 最初に、解決したい問題や達成したい目標を明確にします。
  2. 自由な発想: アイデアを出す段階では批判や評価を控え、自由な発想を奨励します。
  3. 量を重視: 多くのアイデアを出すことを目指し、質よりも量を重視します。
  4. 結合と改善: 他のメンバーのアイデアを基に新たなアイデアを結合・改良します。

ブレーンストーミングの4原則

  1. 批判をしない: どんなアイデアでもまずは受け入れ、批判や否定をしないようにします。
  2. 自由奔放: 枠にとらわれず、独創的で斬新なアイデアを歓迎します。
  3. 質より量: 初めは質を問わず、とにかく多くのアイデアを出します。
  4. 便乗歓迎: 他人のアイデアに便乗し、さらに発展させることを奨励します。

では、チームでの熱気あふれるブレーンストーミングセッションが終わった後、大量の付箋が残ったとします。皆が様々な解決策を探ったことでしょう。しかし、本当の作業が始まるのはブレーンストーミングの終了後です。グループで出し合ったコンセプトの多くが実現しそうもないことに気づき、どの案を先に進めるべきか迷うこともあるでしょう。

ブレーンストーミングで本当に重要なのは、メンバーが集まって話し合うことそのものよりも、終了後に次のステップとして何をすべきかです。ここでは、ブレーンストーミングのまとめ方と現実的な行動に移すためのコツを説明します。

ブレーンストーミングのまとめ方

アイデアをランク・優先順位付けし、分類する方法をチーム全員で決める

ブレーンストーミング後にアクションアイテムの担当を決める前には、時間をとってアイデアを整理するベストな方法を決める必要があります。メンバー全員のアイデアにランクや優先順位を付け、分類する際は、決定の結果が収益面にどのような影響を及ぼすかについて検討しましょう。

例えば、アイデアの実現に必要なリソース、成功させるまでに必要となる開発の規模、実現までにかかる調査やテストの期間、珍しいコンセプトの場合に多額の広告予算が発売時に必要となるかどうか、などを検討していきます。

影響対労力マトリクス
影響対労力マトリクスの例(オンラインで変更するには画像をクリック)

加えて、リスクについても考慮が必要です。チームで新製品やサービスのアイデアをブレーンストーミングする場合であれば、各コンセプトについて、テクノロジー、サプライチェーンや製造面での変更の有無やそうした変更のリスクを取るに値するかどうかなど、簡単に分析してみましょう。

ブレーンストーミング会議中に勝ち残ったアイデアであっても、コスト面で問題があれば実現は不可能です。プロジェクトの予算規模、コンセプト段階から製造段階に移る際の経営陣からの追加承認の要・不要、株主からの早期の収益化への期待の有無なども検討しておきます。

さらに、ブレーンストーミングの結果を実現可能なアイデアに変えるには、「価値」という視点も大切です。リソース、リスクとコストを検討する際には、選択肢を互いに比較してメリットの有無を考えますが、価値はより主観的なものです。そのアイデアが業界全体を変革するようなものか、人々の暮らしを変えるようなものかなどといった問いかけをしてみましょう。

例えば、ワクチンをいち早く市場に投入する過程では、社会的価値が非常に大きいテーマのため、適切な解決策の価値によってリソース、リスクやコストといった制限が決まってきます。

こうした基準や他の条件でランク付け、優先順位付け、分類の方法を決めることで、メンバー全員がそれぞれの専門知識を出し合い、独自の見方を提案できるようになり、チームのコンセンサスが得やすくなります。

参加者にアイデアの根拠や背景を説明してもらう

アイデア出しの段階では、ブレーンストーミングに参加する全員が熱心にコンセプトや改善策を出し合います。グループに分かれてアイデアをまとめる前に、特に外交的なメンバーが自信のあるアイデアをいくつも押し出してくることも多いでしょう。対象となる問題から受ける影響が大きいメンバーや、役職上解決策を見出す責任があると感じているメンバーがセッションに参加する場合に、こうした傾向が強くなります。

ブレーンストーミングが終わったら、参加者一人一人に自分のアイデアを大まかに説明してもらうようにしましょう。現在の課題や状況に加え、提案したコンセプトや解決策がその修正や改善にどう役立つかをを説明してもらい、将来的にどのような状態が望ましいかを提示してもらいます。

自分のアイデアを説明する際には、提案する内容が会社の地位や現在の市場シェアの改善にどう寄与するかを説明してもらいます。

ここでもコンセンサスを重視し、どのアイデアに最も関心や注意が集まっているかに気を配りましょう。発表者に質問をし、必要に応じて反対意見を述べてもらいます。

参加者全員の説明が終わったら、ホワイトボードにアイデアを書き出すか、付箋に書いて壁に貼ります (もちろん、Lucidspark などのオンラインホワイトボードでも可)。似ているアイデア同士は近くにまとめます。

Lucidspark のブレーンストーミング ツール

ブレーンストーミングしたアイデアを整理する

ブレーンストーミングが終わり、アイデアにランクを付け、優先順位付け、分類も済んだら、関心や注意を引くものを中心に、残りのアイデアをグループ化していきます。

真っ先に注意を惹くようなアイデアはどれか、または即戦力となりそうなもの、検証が必要なもの、論外のものなどとアイデアを仕分けていきます。

ここまでで、参加者の説明の際にグループ化したものなど、関連のありそうなアイデアもいくつか見えてきたと思います。こうしたアイデアの類似点に注目すると、そうした類似点がお互いを補完しあうような例も見えてきます。似たコンセプトの優れた点を組み合わせることで、革新的な解決策につながる可能性もあります。

この時点で、熱狂的な支持、まあまあ人気、ほぼ無反応など、アイデアの反響に基づきチームで整理を始めます。具体的なアクションプランを決める段階ではないので、特定のアイデアにあまりこだわり過ぎず、仕分けと整理に集中しましょう。

ブレーンストーミング ツールの絵文字リアクション機能

続いて、反響度に基づいてアイデアを配置し、マトリックスまたはグリッドを作ります。

整理の過程では、最初のブレーンストーミングセッションの基準に基づいてアイデアを評価することも大切です。解決したい問題や懸念がどんなものだったか振り返り、一つ一つの解決策がどの程度対応しているかを判断してブレーンストーミングの内容を実行可能なアイデアへと変えていきます。

熱狂的な支持、まあまあ人気、ほぼ無反応といった要素に加え、この前の段階でランク・優先順位付けや分類に使ったリソース、リスク、コスト、価値などの基準も合わせて見ていきます。

こうした要素は、マトリックスやグリッドと併用するチェックリストでも活用できます。人気のアイデアも、コストやリスクの点で及第点に達しなければ現実的でなく思えてきますし、あまり反応のなかったアイデアも、価値の点で優れているとなれば評価が高まる可能性もあります。

アイデアに投票して決定を下す

この段階まで来れば、精査を経てチームのアイデアが整理、合理化され、最も現実的で実現可能性が高いアイデア、コストが高すぎるアイデア、現在の予算やスケジュールでは無理なアイデアなど、全員がある程度把握できていることと思います。

検討がスムーズに進めば、成功につながるアイデアがどれか、目星がついているかもしれません。

このタイミングで、グループとしての意思決定を固め、投票で組織にとって最適なコンセプトを決めるのがよいでしょう。投票の際には以下の点に注意するようにします。

  • 最も人気のアイデアとまあまあ人気の間に共通するパターンは存在するか?
  • 評価を急ぎすぎて「無関心」のカテゴリーに追いやられたアイデアはないか?
  • アイデア選定の際に重要な基準 (締め切りまでに発売など) を忘れていないか?

投票対象となる選択肢をもう一度見直してみましょう。ひとつのアイデアに投入できる予算、リソースや人員に限りがある場合には、単に気に入った選択肢に投票するのではなく、残りのアイデアにつき、最も好ましいものが1番、次に好ましいのが2番、というように順番を付けてみるのがおすすめです。こうすることで、全員の意見を反映しながら上位2位のアイデアを選ぶことができます。

いくつかの選択肢よりも、2つの選択肢から選ぶ方がずっと簡単です。効果的なブレーンストーミング会議の産物である残りのアイデアは、後で再検討できるよう保存しておきましょう。

最終投票に移る前に、感情や個人的な先入観はできるだけ排するようメンバーに伝えます。投票を誤った方向にねじ曲げかねない偏見や外部からの影響を事前に特定できればなおよいでしょう。最終的な目標は、ブレーンストーミングの結果を実現可能なアイデアに変えることです。

ブレーンストーミング ツールの投票機能

このプロセスを適切に行えば、今回の投票だけでなく、今後のグループでの議論にもよい影響が及びます。

チームが行動につなげられる計画を作成する

決定を下したら、アクションアイテムについて具体的に検討していきます。自分、またはチームの時間とエネルギーをまだ全面的にプロジェクトに振り向けられない場合には、勢いを保てるよう気を配り、少なくとも次のステップについて話し合う機会を設けておきましょう。

当初のブレーンストーミングの目的に応じて、以下のような形で次のステップに進むことができます。

  • 製品ロードマップ : 個人やチームで2つの地点間を移動するために役立ち、アイデアを実行可能な解決策に変える方法を示してくれます。
  • プロジェクトタイムライン : アイデアを実現するために必要なイベントを時系列で示します。細かい詳細よりも大局的な検討に向いています。
  • カンバンボード: カードを動かして開始から終了まで進捗を追跡し、ビジュアルで情報を共有するシンプルなツールで、ワークフローが柔軟なチームに最適です。
  • スクラムボード : 柔軟性が高く、カスタマイズしやすいツールで、タスクを垂直または水平方向のレーン上に「ToDo」、「進行中」、「完了」などのラベルを付けてスプリント別に分類します。
  • 基本的なチェックリスト : 誰もが仕事やプライベートで使い慣れた方法で、プロジェクトや目標を完了すべき具体的なタスクに分割する簡潔なツールです。

どの方法を選ぶ場合でも、関係者全員が明確に理解でき、行動につなげられる計画に仕上げることが重要です。各ステップを完了する日時を具体的に決め、最終的な期限についても全員で合意します。

各チームメンバーの担当範囲を決める

各ステップやタスクの担当者を決めます。また、プロジェクトの開始から完了までの個々の役割も明確にしておくようにしましょう。問題の解決に責任感が持てたり、そこから受ける影響が大きいと、やる気も出やすくなります。

タスクを割り当てる際には、最も重要で最初に完了すべきことを事前に決め、それに従って優先順位を付けておくようにします。こうしたタスクはプロジェクトの完了を左右するため、後続のタスクより優先して対処する必要があります。

タスクには、作業用プロトタイプの作成、資金の調達、法的許可の取得などがあります。

ブレーンストーミング後、アイデアを実践に移す段階を監督する際には、メンバーや部署間のタスクの引き継ぎが明確になるよう心がけ、常にチーム内外の関係者とコミュニケーションをとりましょう。

ブレーンストーミングのフォローアップにも役立つのが Lucidspark。キャンバス上でアイデアにランクや優先順位を付けて分類し、構造化して、実行可能なステップへとスムーズに変換することができます。今すぐ登録して便利なリモートアクセス、クラウドベースの機能、G Suite、Slack、Lucidchart などのアプリとスムーズに連携できるインテグレーションなどを次回のブレーンストーミングでさっそく活用しましょう。

意思決定

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Lucidspark について

クラウドベースのバーチャルホワイトボード、Lucidspark は、Lucid Software のビジュアルコラボレーションスイートのコアコンポーネントで、チームが集まり、ブレインストーミング、共同編集、グループでまとめた思考を実行可能な次のステップに統合するための作業をすべてリアルタイムで行える最先端のデジタルキャンバスです。Lucid は、Google、GE、NBC Universal などの顧客や、Fortune 500 企業の 99% を始めとする世界中の主要企業にサービスを提供しています。Lucid は、Google、Atlassian、Microsoft などの業界の主要企業と提携しており、創業以来、製品、事業内容と企業文化を称える各種の賞を多数受賞しています。詳細は lucidspark.com を参照してください。

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