創業10年以内に破綻する企業は数多いものですが、その理由としてよく挙げられるのが、計画性の欠如です。ビジネスを成功させる可能性を高めるには、他社での成功実績がある戦略計画の要素を含め、しっかりとした戦略計画を立てることが必要です。
現在の市場、業界の動向、競合他社の分析などを幅広く調査し、その内容を盛り込んで戦略計画を策定することで、会社のビジョンとミッション、会社の方向性やそこに到達するために必要な内容の確立に役立てることができます。
戦略計画が重要な理由
「それを造れば、彼らはやってくるだろう。」
映画の中のセリフとしては素敵ですが、ビジネスの世界ではこうした姿勢が成功につながることはほぼありません。アイデアありきで店を出しても、その商品を求めて大勢が列をなしてくれるとは限らないのです。
よく練られた戦略計画からは、ビジネスで何を達成したいのかが明確に伝わってきます。こうした明確なメッセージがあれば、従業員が仕事の進め方を理解しやすくなり、さらに全社の成功に自分の仕事がどう貢献するかを実感でき、組織全体によい影響が及びます。
企業の戦略計画は、自社のビジネスが特定の市場で占める位置、自社の製品やサービスがその市場にもたらす価値を理解する上で不可欠であり、対象とする顧客層に焦点を合わせ、自社製品が満たせるニーズを見極めるために役立ちます。
戦略計画プロセスを理解する
戦略計画プロセスとは、簡単に言えば、企業が目標を達成し、ビジネスを成長させる方法を決めるための手法であり、 この過程で、ビジネスを前進させるために集中すべき戦略目標を特定することができます。
このプロセスの進め方は、企業の規模、時間や個人的な好みによって異なりますが、どんなアプローチを取るにしても、以下の手順を必ず含めるようにします。
- 自社の戦略的ポジションを特定する — SWOT (強み、弱み、機会、脅威) や PEST (政治、経済、社会、技術) 分析を行い、目指すべき方向性が定まるよう、自社の現状を確実に把握します。
- 目的に優先順位を付ける — ビジョンやミッションに沿い、目標達成のために追求すべき目的を決めます。
- 計画を立てる — 目標を達成するためにすべきことを明確にするため、タイムラインを含め、役割と責任範囲を明確に伝える形で計画を立てます。
- 計画を実行・管理する — アイデアを意義ある行動に変え、計画を実践し、進捗を監視します。
- 見直しと改訂を行う — 戦略計画は一度作ったら終わりではありません。常に先を行くためには、プロセスの改善と合理化の方法を常に模索すべきです。計画を見直し、優先順位を再評価し、計画通りに進められるよう適宜軌道修正を行います。
戦略計画の主な要素
戦略計画は時折見直しや更新を行い、随時変更を加えていきます。初めて計画を作成する場合でも、既存の計画を修正する場合でも、プランニングにはいくつかの要素を必ず含めていきます。
戦略的計画の基本的な要素としては、まず以下の内容を検討します。
ビジョンステートメントを作成
組織のあるべき姿を抱負として記したもので、創業のきっかけとなった目標を示すのが一般的です。
このビジョンは、会社が長期的に達成したい目標を定めることでビジネスの方向性を決め、将来的に会社がどのような形で認知されたいか、関連付けられたいかを示す内容となります。
ビジョンステートメントは短くてシンプルなものとし、ビジネス用語や壮大な表現を多用せずに、会社の目指す方向性を表現するようにします。例えば、Google のビジョンステートメントは「ワンクリックで世界の情報へのアクセスを提供すること」とあります。
このビジョンステートメントは、簡潔で読みやすく、理解もしやすく、同社がこれを現実に実現していることに異論はないでしょう。
ミッションステートメントを作成
ミッションステートメントは会社の存在意義を示すもので、ビジョンの裏付けとして、会社の目的を分かりやすく説明し、企業文化、価値観や倫理観、実行すべき課題などを定義することもできます。
従業員が目標達成のためにすべきことに集中できるよう、ミッションステートメントは理解しやすいものでなければなりません。例えば、Google のミッションステートメントは、「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」というシンプルな表現でそのビジョンを裏付けています。
このミッションステートメントは、情報へのアクセスを提供するだけでは不十分で、その情報を整理してユーザーの利便性を高め、全世界からアクセス可能にすることが必要であるということを示しています。
ミッションステートメントを定めることで、従業員が各自の役割を理解し、特定のタスクを任されている理由に納得感を持てるようになります。こうしたステートメントがないと、会社のビジョンを各自が勝手に解釈することになり、今後の方向性についての戦略や考え方の不一致を招く可能性があります。
目標を設定
事業の目的とは、会社が具体的に目指す結果を指します。目標の対象が幅広い成果であるのに対し、事業の目的は、その目標に到達するために必要となる測定可能なステップを指します。
例えば、従業員の生産性維持を目標とする場合、その目標を達成するための目的は、従業員のトレーニング、機器のメンテナンスや新しい機器の購入など、仕事をこなすために必要なリソースを確保することとなります。
目的は通常、達成までに数年を要するような長期的な視点で設定されます。
戦略を策定
戦略により、優先順位の高い目標を達成するために辿るべき長期的な計画が決まってきます。目的を実行するためのプロジェクトやプログラム、会社や従業員が取るべき具体的な手段なども戦略に含まれます。
対象範囲や複雑さに応じ、目的ごとに別の戦略が必要になることもあります。戦略は作戦計画のような具体的なもので、通常は組織内でのみ共有され、外部に漏らすようなことはしません。
戦略計画の主な要素としては、以下の内容も含めることができます。
- 測定方法 : 自社のアウトプットや進捗状況を把握する方法の定義。
- 資金調達の流れ : 過去の業績と今後の業績見通しを中心とした財務分析を含め、企業と投資家が企業の現在と今後の財務状況を把握するための内容。
- コアバリュー : 企業が従業員、顧客やステークホルダーと接する方法を定義する一連の原則。
戦略計画プロセスを通して使えるツールとして最適なのが、バーチャルでのコラボレーションや計画のために設計された Lucidspark。計画の立案に協力してほしいメンバーを全員集められるバーチャルホワイトボードです。メンバーが世界のどこにいても、Lucidspark ならひとつのボードに集まって、ダイナミックなブレインストーミングに熱中し、アイデアを実現するための戦略的計画を定めることができます。投票で最高のアイデアが決まったら、Lucidchart でプロセスフローやロードマップを作成すれば、プロジェクト完了までの参照資料として便利に活用できます。

ではこれまでの内容を踏まえて、Lucidspark で戦略計画セッションを開きましょう。
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