構造化ブレインストーミングとは

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トピック :

  • ブレインストーミング

学校のプロジェクト、新しいマーケティングキャンペーン、キッチンの改装など、ほとんどの人が何かしらの場面でブレインストーミングを経験しているはずです。「ブレスト」とも呼ばれるブレインストーミングが広く使われている理由は、シンプルかつ効果的に新しいアイデアを生み出せる方法だからです。

どんなブレインストーミングを最近やったのかを思い出してみましょう。かしこまらず、ちょっとした思いつきでメモやアイデアを書き留めるようなものではなかったでしょうか。これは一般的に「自発的ブレインストーミング」と呼ばれるものです。

こうした自発的ブレインストーミングは小規模で気軽に話し合える状況では有効ですが、ビジネスの場ではどうでしょうか。うまくいく場合もありますが、そうでない場合もあるでしょう。非現実的なアイデアが多数出てくるかもしれませんし、2、3人が会話を独占してしまい、IT 部門の寡黙なメンバーのすぐれたアイデアを聞き逃してしまうかもしれません。こうした状況では、構造化ブレインストーミングが有効です。

構造化ブレインストーミングも自発的ブレインストーミングと同様にアイデアを生み出すための手法ですが、前者には、より焦点を絞り、目標指向で、効果的なブレインストーミングにつなげやすい公式な要素が含まれています。

構造化ブレインストーミングとは?

構造化ブレーンストーミングは、自発的ブレーンストーミングに似ていますが、「構造的」である部分が異なっています。ブレインストーミングのプロセスに構造を与えるのに特に決まった方法はありませんが、構造化ブレインストーミングを実現するには、まず最初に計画をしっかり立てることが大切です。

では、構造化ブレインストーミングとは、計画的ブレインストーミングを単に言い換えたものなのでしょうか。ある意味正解ですが、もう少し詳しく説明しましょう。

自発的ブレインストーミングとは、その名の通り、アイディアを自然発生させるもので、参加者が集まり、その場でたくさんのアイデアを出し合って共有するため、仕組みを導入する余地は限られています。

ブレインストーミングを事前に計画しておけば、その構成を自由に決めることができます。例えば、参加者に問題点のリストを事前に読んでもらい、会議の場に最もすぐれた解決策を2つほど持ち寄ってもらいたい場合には、会議の数日前に書類を送付しておけば、同僚に回答を追加してもらえるようになります。また、対応や解決が必要な課題が多数ある場合には、Lucidspark ホワイトボードを使えば、一つ一つの課題を分解し、考えうる解決策を記録していくスペースを設けられます。

構造化ブレインストーミング
ブレインストーミングの例(オンラインで変更するには画像をクリック)

構造化ブレインストーミングの特色の1つが、対象に集中する点です。ブレインストーミングの間中、参加者が最終的な目標から目を離さずに話し合えるようになります。構造化ブレインストーミングを行う際には、SWOT 分析や PEST 分析を使って、参加者が具体的な戦略目標を絞り込めるようにするとよいでしょう。望ましい結果を定義しておくだけでも、ある程度の構造が生まれ、ブレインストーミングセッションに集中できるようになります。

SWOT 分析の例
SWOT 分析の例(オンラインで変更するには画像をクリック)

構造化ブレインストーミングの利点

構造化ブレインストーミングの最大の利点は、参加者が準備万端の状態で会議に臨めることです。自発的ブレインストーミングでは、「質よりも量」といった思考に陥りやすく、実現可能性を無視したアイデアが飛び交う結果になりがちです。準備した上で参加者が集まれば、最高のアイデアを万全の体制で持ち寄ることができます。

また、構造化ブレインストーミングでは、参加者一人ひとりの声をもれなく拾い上げることができます。会議が2、3人の声の大きい参加者に乗っ取られてしまうことは多々ありますが、構造化ブレインストーミングセッションでは、参加者それぞれからいくつかアイデアを集めて記録し、気に入ったアイデアに各人が投票を行って、全員の意見を盛り込んだ意思決定につなげることができます。

構造化ブレインストーミングで避けるべきこと

グループでのブレインストーミングの長所と短所をチェックしてチームに合った戦略を見つけましょう。

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計画されたブレインストーミングセッションでは、会議に何を求めるかが事前に明確になります。参加者がどのような解決策やアイデアを出してくるかはわかりませんが、目標は非常にはっきりしています。これにより、会議の進行がスムーズになり、参加者が目の前の課題に集中できるようになります。

構造化ブレインストーミングで避けるべきこと

構造化ブレインストーミングには上述のような利点がありますが、ブレインストーミングの基本ルールに従わないと失敗しやすくなります。ブレインストーミングの機会を最大限に活用できるよう、構造化ブレインストーミングで避けたいことをまとめました。

1. 特定の解決策にこだわった状態でブレインストーミングに臨まない

少し誤解を招きやすい表現ですが、これは、ブレインストーミングを開始する時点で具体的な解決策を想定しておくのは結構ですが、他のよりよい解決策にも目を向けられるようにしておかねばならないという意味です。ブレインストーミングのそもそもの目的は、考えうる解決策や戦略などを考え出すことです。したがって、さまざまな可能性を柔軟に受け入れられる状態で臨むようにしましょう。

2. 否定的な言葉や表現を使わない

構造化ブレインストーミングの場では、参加者に新しいアイデアを受け入れる姿勢を忘れないよう注意しておきましょう。敵意を向けられることなく全員が自分の考えを伝えられるよう、否定的なコメントをしたり、眉をひそめるなどのネガティブな仕草をしないようにしましょう。

3. よいアイデアよりも構造を優先しない

構造化ブレインストーミングの目的は、参加者のアイデア出しを助けることにあり、アイデアの抑制は避けるべきです。会議を進めていくうちに、予定していた構成から話がずれていくことがありますが、よさそうな方向に進んでいるのであれば思い切って筋を外れてみると最高のアイデアが生まれる可能性もあります。

4. 脱線しすぎない

前のポイントにも関係してきますが、たまに脇道に逸れるのは結構ですが、筋書きには意味があることも忘れないようにしましょう。ブレインストーミングの目的や目標を踏まえ、脱線はしすぎないことが大切です。

5. 少数の人が会議を独占しないようにする

構造化ブレインストーミングの大きな利点は、全員の意見を聞くことができることです。とはいえ、気をつけないと、声の大きい参加者数人が場を独占してしまうこともあります。できるだけ全員の意見を聞けるよう、名前を呼んで考えを尋ねてみるようにしましょう。

構造的、それとも自発的?ブレインストーミングの手法を決める

ここまで2つのタイプのブレインストーミングについて説明してきましたが、では実際には、どのタイミングでどちらの方法を使えばよいのでしょうか。この質問に答えるためには、タスクと思考のタイプを収束型と発散型の2つに分けて考える必要があります。

収束型のタスクには、特定の解決策が1つ存在します。その解決策を見つけるために、さまざまな事実や選択肢を検討することを「収束的思考」といいます。つまり、参加者は手に入る情報を使って解決策へと「収束」させることになります。一方、発散型のタスクについては、多くの解決策が考えられます。この場合、一人ひとりが多彩な選択肢を思い浮かべ、最も実現可能なものを選ぶことになります。

では、これがブレインストーミングとどう関係するのでしょうか。発散的思考は自発的ブレインストーミングに近いため、発散的なタスクにはこの方法を使うのが適しています。他方で、収束的なタスクにはもう少し集中力が必要なため、構造化ブレインストーミングが適しています。

構造化ブレインストーミングでは、会議前に各人が発散的思考を行い、いくつかの可能な解決策を考えます。その後、構造化された話し合いの場で解決策を事実とともに提示し、グループで (収束的思考を使いながら) 「適切な」解決策に絞り込んでいきます。

構造化ブレインストーミングのシナリオ例

構造化ブレインストーミングは、以下のような状況で有効です。

  1. 事業戦略上の問題を議論し、解決するための会議
  2. 顧客の抱える特定の問題点を解決する製品機能の開発場面
  3. コミュニケーションの問題を話し合い、解決するためのチームミーティング

両方のブレインストーミングスタイルを受け入れるべき理由

この記事では構造化ブレインストーミングに焦点を当ててきましたが、自発的ブレインストーミングに適した状況があることも事実です。どちらの方法にもメリットとデメリットがありますので、課題を評価する際には、ニーズを考慮して自発的ブレーンストーミングと構造的ブレーンストーミングの両方を検討しましょう。どちらか分からない場合には、両方を試してみるのもよいでしょう。

続いては、よりよいブレインストーミングを実現するための7つのヒントをご紹介します。

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