新型コロナウイルス感染症の大流行に際し、オンラインコラボレーションと生産性を支援する、より優れたツールへのニーズ拡大が明らかに(Lucid 調査)。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、近年すでに広がりを見せていたテレワークの動きは世界中で加速しました。今回の実体験により、リモート勤務が将来のビジネス環境の一部として確固たる地位を築きうることが明らかとなり、強制的とも言えるテレワークへの移行を通じて、組織は大きな学びを得ました。従業員は柔軟に働けるようになり、企業は変化の多い不安定な状況でも顧客の喫緊のニーズに対応できる力があることを実証しました。
この調査は、こうした新常態における重要な優先事項であるコラボレーションと生産性の2点につき、管理職やナレッジワーカーがどのような認識を抱いているかを探るものです。コロナ禍に際し、管理職は生産性に、従業員はコラボレーションに対してそれぞれ大きな懸念を抱いていることが明らかになりました。
実際には、生産性とコラボレーションには直接的な関わりがあり、チームのコラボレーション力を強化することが生産性の向上にもつながります。これら2つを両立するには、反復、探求、意義あるコラボレーションを実現するアジャイルなワークフローとプロセスを採用することが鍵となります。
いずれにせよ、「ニューノーマル」の時代に際して、企業には、チームが共同でアイデアを出し合い、効率性と生産性を高められる新たなビジュアルソリューションを導入することが求められます。
で は、今回のアンケート調査で明らかになったリモート勤務での生産性とコラボレーションへの認識と実体験について具体的に見ていきましょう。
主な調査結果
生産性
経営幹部がコロナ禍における最も大きな懸念として挙げたのが、生産性への影響でした。その43%が、従業員の在宅勤務やオンラインでのコラボレーションへの移行により、自社の大型の製品発売、キャンペーンや施策を先送りせざるを得なかったと回答しています。
また、中間管理職の78%も、最大の懸念の3つに生産性が含まれると評価しており、従業員の在宅勤務に関して懸念があると回答した管理職のうち、86%がその理由を生産性としています。
これに対し、従業員はそれほど生産性の水準低下を気にしておらず、在宅勤務の従業員のうち、生産性が低下したと回答したのは52%にとどまり、40%は逆に生産性が向上したと回答しています。
ただ、オンラインツールやサービス無しでは集中力が維持しにくい点については認識しており、従業員の4分の1が約半数のオンライン会議で集中できていないと回答し、11%は会議中にシャワーを浴びたり、トイレに行ったりしていると答えています。
まとめ : コロナ禍において、従業員の生産性低下は管理職の最大の懸念事項となりましたが、従業員自身は最大の悪影響を受けた分野としてコラボレーションを挙げています。こうした問題を解決できるのが、オンラインブレインストーミングやホワイトボードツールです。チームのモチベーションやコラボレーションを効率化し、生産性と集中力の向上につなげることができます。

共同編集
前述のとおり、コロナ禍において、管理職が最も心配したのは生産性の低下でした。経営幹部の90%が、従業員の在宅勤務に関する3つの最大の懸念の1つとして生産性を指摘しています。対して、従業員においては、その75%がコロナ禍で最も悪影響を受けた分野として生産性ではなくコラボレーションに言及しています。
コロナ禍における在宅勤務で従業員が分散した環境では、コラボレーションに大きな注目が集まりました。実際に、在宅勤務に関する懸念を抱いているリモート勤務の従業員の75%が、最も悪影響を受けた分野としてチームのコラボレーションを挙げています。
調査回答者からは、オフィス勤務の時のように気軽に集まってブレインストーミング会議や戦略の検討ができなくなったという声も上がっており、従業員の3分の1以上 (37%) がチームで顔を合わせてアイデア出しができず、コラボレーションに悪影響が及んでいるとしています。従業員の5人に1人がコロナ禍でコラボレーションが減ったと回答し、25%が連携せず各自がバラバラに働くようになったとしています。
効果的なオンラインコラボレーションツールの必要性を最も明白に示すのが、リモート勤務の従業員のほぼ5人に1人 (17%) が、コロナ禍で接触減が求められているにもかかわらず過去数か月間に社の規則に反して同僚と対面で会ったと回答している事実でしょう。こうした違反者の中に組織に範を示すべき存在である経営幹部が最も多い (43%) のも興味深い点です。
実際に会って話さざるを得ないのは、プロジェクトを一緒に共同作業する必要があるからです。同僚と対面で会ったとするリモート勤務の従業員のほぼ4人に1人 (23%) が、オンライン会議には共通のビジュアルコラボレーションスペースもホワイトボードもないので不十分と回答しています。

まとめ : 生産性は在宅勤務でも低下せず、向上することすらありますが、コラボレーションには悪影響が及びます。オフィスでのホワイトボードを使った対面でのコラボレーションを再現できるようなツールの導入が必要となります。
創造性
今回の調査では、リモートワークスタイルの3つ目の要素である創造性についても探っています。創造性は、生産的なコラボレーションの成果として生まれることが多々あるため 、コラボレーションの減少と生産性の低下が創造性にどう影響したかを検討してみました。

リモート勤務の従業員は、コロナ禍で創造性に欠かせないブレインストーミングとアイデア出しの両方が悪影響を受けたとして、およそ4人に1人 (22%) が在宅勤務で創造性が損なわれたと回答しており、管理職の26%がこれに同意しています。また、従業員の17%が、仕事の内容が通常勤務時に比べて創造性に乏しいものとなったと回答しています。
これは管理職の場合も同じで、経営幹部の38%が在宅勤務で意思決定や行動のスピードが低下したとし、28%が革新的で創造的な解決策の立案に苦戦していると回答しています。
つまり、一般社員から経営幹部に至るまで、スピーディーに対応する能力が鈍ったように感じているということになります。「ニューノーマル」の時代で成功するには、アイデアを出し、イノベーションを実現し、アジャイルな仕事環境を維持することが重要となることを考えれば、こうした創造性の低下は看過できません。
創造性の低下の理由として管理職と従業員の両方が挙げていたのが、分散した働き方からくる孤独感です。コロナ禍での在宅勤務で創造性が低下したとするリモート勤務の従業員のうち、46%がチームで顔を合わせる時間が減ったこと を理由として回答しています。また、44%が、隔絶されて1人きりで働いているようで他の同僚が何をしているか分からない、40%が電話しながらコラボレーションするのは難しいとコメントしています。
管理職については、およそ4人に1人 (22%) が、ホワイトボードなどを使ってチームでブレインストーミングできなくなったことが創造性低下の直接的な原因と指摘しています。
まとめ : 管理職と従業員のいずれも、コロナ禍でチームメンバーが離れて働くようになり、創造性が低下したとしています。創造的な解決策を生み出すことに苦慮した管理職は、オンラインコラボレーションツールが社内の創造性を高める上で効率的であると結論づけています。
解決策 : ビジュアルを駆使したオンラインコミュニケーション
今回の調査では、分散して働くチームにとって、デジタルコミュニケーションツールやプラットフォームが不可欠な存在であることが明らかになりました。ただ、リモート勤務の従業員のうち、現在使用しているクラウド形プラットフォームが自宅で働きながらもチームのイノベーションを継続する上で役立ったと回答したのは半数以下 (41%) にとどまり、37%がコラボレーションツールから絶えず通知が来て気が散り、創造性に悪影響を及ぼすと回答しています。また、管理職の24%が、オンライン会議で出たアイデアを一元的に整理し、保管しておく場所がない点を不満として挙げています。