パレートの法則

「パレートの法則」(80対20の法則) のガイド

読み取り時間 : 約6分

トピック :

  • 組織と評価
  • 戦略計画

ほとんどのビジネスリーダーは、継続的な改善に前向きであることが成功の鍵であることを理解しています。問題は、一般的に人は変化に抵抗したがるものだという点です。実際、ある研究では、サルは人間よりもプロセスの変化を受け入れやすいことがわかっています。

私たちは、コンフォートゾーンにとどまる傾向があります。いつもと同じ方法で物事を行うことにより、私たちは安全で環境をコントロールできていると感じます。しかし、ビジネスリーダーがコンフォートゾーンに囚われてしまうと、現状に満足し、機会を逃し、間違いを繰り返し、顧客の不満を招く可能性があります。

そこで役立つのがパレートの法則です。

パレートの法則とは?

19世紀後半、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートは、イタリア国内の富の分配について研究する中で、国の土地の約80%が人口の20%により所有されていることに気づきました。

この気づきは後に、「80対/20の法則」としても知られるパレートの法則の発見につながりました。パレートの法則では、結果の重要な部分は、全体を構成するうちの少数の要素によりもたらされていると結論づけられています。

1940年代なると、ジョセフ・M・ジュランがこの法則を事業運営の品質管理に適用すると同時に、問題の約80%は考えられる原因の約20%から生じているという理論を立てました。これは、要素のごく一部にのみ焦点を当て、優先順位を付けることで、少ない作業でより多くのことを達成できることを表しています。

パレートの法則の導入方法

パレートの法則の導入に成功すると、効率性や生産性が向上し、全体的により適切な意思決定を行うことができます。ここでは、80対20の法則をほぼあらゆる状況に適用するのに役立つ推奨手順をいくつか紹介します。

  1. 重要な要素を特定する:たとえば、求めている成果や結果に影響を与えるプロセス、プロダクト、顧客、プロジェクト、タスク、または問題などがこれに該当します。
  2. 各要素による影響または貢献度を分析する:これらの要素が全体的な結果にどのような影響を与えるかを見極めます。たとえば、どれくらいの費用がかかるか?どれくらい時間がかかるか?どれくらいのリソースが必要か?などを検討します。
  3. 少数の重要な要素に焦点を当てる:80対20の法則では、全要素の20%が確実に結果の80%をもたらすとは限らないため、ジョセフ・ジュランは「少数の重要な要素」や「多数の些細な要素」(あるいは「多数の有用な要素」)という言葉を好んで使いました。貴社がすべきことは、結果の大部分をもたらしている重要な少数要素や原因を特定することです。
  4. タスクとプロジェクトに優先順位を付ける:少数の重要なタスクが優先されるように、プロジェクトとタスクの割り当てを計画します。最も影響力のあるタスクに集中すると、より良い結果が得られます。
  5. 多数の些細な要素を排除または委任する:結果への影響が少ない要素を特定します。可能であれば、これらの要素に取り組む時間のある人にこれらの要素を委任するか、作業を自動化して、少数の重要な要素にリソースを割り当てられるようにします。
  6. 必要に応じて確認と調整を行う:要素と結果の分布は時間の経過とともに変化する可能性があります。また、最も大きな影響を与える要素も変化する可能性があります。データを定期的に確認して、適切な要素に焦点を当てているかどうかを判断し、必要に応じて変更を加える必要があります。これは、効率性と効果を継続的に向上させるのに役立ちます。

80対20の法則の適用先は?

80対20の法則は、ほとんどすべての状況で適用可能です。以下に例を示します。

プロジェクト管理

プロジェクトの価値の約80%は、開発チームが投入した最初の20%の労力によりもたらされます。これを理解すると、より多くの時間をテストと品質保証に費やすことができます。さらに、他の方法では無視される可能性がある、プロジェクトにとって重要な他の要素を特定することも可能になります。

リソース管理

作業の大部分を完了するのは、チーム内のごく少数のメンバーです。この法則は、パフォーマンス・ギャップを特定し、スキルセットに基づいてリソースをどこに割り当てるかを決定するのに役立ちます。また、より多くのトレーニングが必要なエリアを理解したり、人事上の決定を下したりするのにも役立ちます。

ソフトウェア開発

さらに、お客様の約80%がソフトウェアの全機能のうち20%しか使用していないことに気づくかもしれません。多くの人は「極めて高度な機能」や複雑なインターフェースの使い方を学ぶのに時間を割きたくありません。そのため、チームは、お客様にとって最も重要な機能の価値を向上させることに重点を置くとよいでしょう。

セールスとマーケティング

貴社の売上のほとんども、提供している製品の一部から来ていないでしょうか?お客様に一番求められている製品に取り組むことができるようにリソースを解放するため、特定の製品の製造を中止することも検討してみましょう。

80対20の法則の長所と短所

パレートの法則をさまざまな状況に適用するに当たり長所と短所があります。

メリット

  • 求めている結果に最も影響を与える少数の重要な要素を特定し、それに焦点を当てるのに役立ちます。また、少数の重要な要素に焦点を当てると、より少ない労力でより多くのことを達成できるようになります。
  • リソースの割り当てをより効率的に行うのに役立ち、全体的な結果にあまり影響を与えない、影響力の小さい作業に時間やリソースを浪費する可能性が低くなります。
  • 80対20の法則を適用することは、一つの問題解決プロセスです。最も注意が必要な領域を特定するのに役立つため、そこから効率的な解決策を見つけることができます。

デメリット

  • 少数の重要な要素に焦点を当てると、全体的な結果に依然として影響を与える多数の有用な要素が無視される可能性があります。
  • 20%の努力で必ずしも80%の成果が出るとも限りません。
  • パレートの法則に頼りすぎると、リスクだけではなく、チャレンジや機会も逃してしまう可能性があります。

パレートの法則を効果的に適用するには、絶対的に20%の努力で80%の成果が得られると考えるのではなく、これはあくまでもガイドラインに過ぎないと考えることがおすすめです。影響力の大きい要素をすべて合計すると、必ず全体の20%となるわけでもありません。それでもこの法則は、チームが最も意識を向けるべき要素を特定するのに役立ちます。

80対20の法則を適用するときは、特定の状況についても考慮してください。データの収集と分析を欠かさず、パレートの法則が眼の前のユースケースに適切であることを確認する必要があります。

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