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共感マップの作り方

共感マップの作り方

読み取り時間 : 約1分

UX デザイナーや CX リサーチ担当者の大きな強みに、ユーザーに対する共感が非常に強いということがあります。こうした共感は単なる勘によるものではなく、定性的なフィードバックや調査に基づくものです。ただ、データがあまりに膨大だと、チームの他のメンバーにプレゼンするのも難しく、そうした情報から実行可能な計画を立案するのも簡単ではありません。

ここで役に立つのが共感マップ。強力な成果が期待できるシンプルなビジュアルツールです。この記事では、苦労して勝ち取ったユーザーの共感を有意義に活用するために役立つ便利な共感マップの作り方を説明します。

共感マップとは?

共感マップとは、マップというより4つの象限に区切られたグラフィックに近いもので、個人やチームでユーザーを視覚化するために活用できるツールです。特に、別のメンバーが担当するユーザーのニーズを深く掘り下げて理解する上で役立ち、製品デザインの品質向上に最適なツールです。チームでデザイン思考を取り入れている場合には、共感段階に追加すると便利でしょう。 

プロジェクトロードマップ
共感マップの例(オンラインで変更するには画像をクリック)

共感マップの作成には主に次のようなメリットがあります。

  • ユーザージャーニーの作成:ユーザーを理解できれば、自社製品とユーザーのインタラクション・操作方法も予測しやすくなります。
  • 実用的なデザインの実現:独創的なデザイン計画も、ユーザーが望まないものであれば無用の長物です。共感マップを使うことで、ユーザーの希望に合わせて機能を微調整できます。
  • ユーザーニーズのマッピング:ユーザー自身でも気づいておらず、満たされていないユーザーニーズを特定するのに役立ちます。

こんな風に考えてみましょう。例えば、サンタクロース役を買って出て、オンラインでこっそりプレゼントを購入するとします。もし、プレゼントをもらう人のことをよく知らず、「犬好き」くらいしかわからなかったら、骨型の消しゴムなど、買えるものは限られるはずです。

これとは逆に、その人について、ウィスコンシン州に住み、キャセロールという名のグレートデンを飼っていて、ハイキングが好きなど十分な情報があれば、その人に合った役に立ちそうなプレゼントを買えるでしょう。共感マップも同じで、デザイン関連で行う意思決定を明確にするのに適しています。一つ一つの機能をプレゼントのようなものと捉えれば、共感と理解に基づいて開発すべきというのもうなずけます。

ユーザーへの理解が深まるほど、提供できる価値も大きなものになります。ユーザーの支援者とも言える立場から、その暮らしを改善できるという満足感も感じられるようになります。一見単純に見えるマップですが、決してあなどれない大きな力を秘めています。

共感マップの形式

共感マップには以下の4つの象限が含まれます。

発言

リサーチの過程でユーザーから得られた直接の発言を含めます。以下に例を示します。

  • Cookieを承諾するのが本当に嫌で、そもそもCookieが何なのかもわからない。
  • ログイン後にはどうしたらいいですか?
  • このドロップダウンメニューが変です。

行動

ユーザーの行動からは貴重な洞察が得られます。口で言っていることと実際にしていることが異なる場合もあります。こんな行動に気がつくでしょう。

  • 直感的に上へスワイプする
  • 決済時に Apple Pay を使用しようとする
  • カートの内容を放棄する

思考

実際にユーザーの考えを読むことはできませんので、この象限には推測が混じりますが、これまでの情報や背景を元に推測してみましょう。ユーザーの思考としては、以下のようなものが考えられます。

  • あー、クレジットカードを探しに行くのが面倒くさい。
  • メールアドレスは提供したくない。
  • なんでワンタップで友達と共有できないの?

感覚

繰り返しになりますが、ユーザー自身、思っていることを明確に表現できない場合もあります。調査結果を元に、インタラクションの時点でユーザーが体験しているさまざまな感情を判断してみましょう。

  • ページの読み込み速度が遅く、イライラする
  • 情報の送信後に確認メッセージが届かないので心配になる
  • 手順を繰り返さねばならず、面倒になる

共感マップ作成に役立つ8つのヒント

1. 「発言」から始める 

情報源がすでにありますので、一番埋めやすい象限です。推測は不要で、ユーザーの発言を入力していくだけで済みます。一つ一つの発言から、コンテキストを引き出し、行動を追跡し、思考や感情を推測していくことができます。

2. ユーザーを定義する

あらゆるタイプのユーザーから大量のリサーチがすでに集まっているかもしれませんが、その全員がターゲットユーザーとは限りません。共感マップをオンラインで作成する前に、コアユーザー像を固めましょう。また、単一のユーザーに向けてデザインするか、調査内容を集計してユーザーセグメントを割り出すかなども決めていきます。

3. 調査した内容を整理する

共感マップは、開発の調査部分が完了した後に作成します。マップへは、単なる推測ではなく、調査から集めた情報に基づき内容の追加を行うようにしましょう。こうした情報が、マップを裏付けるエビデンスとなります。

4. 柔軟に変更を加える

共感マップへ追加する内容は変更不可能というわけではありません。チームメンバーがマップのポイントが変わる情報を持っていることもあるでしょう。付箋やクラウドベースのツールを使えば、マップの変更も簡単です。付箋は、テーマのグループ分けにも便利に使えます。

5. 改良する

共感マップへは必要であれば、自由にセクションを追加できます。イラストや色分け、目標など、最終的にデザイン改善に役立ちそうなものは積極的に取り入れましょう。

また、共感マップを定期的に作成し、各バージョンを保存しておくのもおすすめです。クラウドベースやデジタルのマップなら、前のバージョンへ戻すのも手軽です。加えて、共感マップの作成では、完璧主義に陥らないことも大切です。人間というものは複雑な存在で、常に変わるものです。ユーザーのニーズに合わせて、マップに変更を加え、進化させていきましょう。

6. マップを分析する

共感マップの象限が埋まったら、注意深く内容を検討していきます。どんな問題点があるか、ユーザーに付加価値を提供できる機会はどこにあるかなど、計画を立てるのに絶好の機会となります。ユーザーが自社ツールを手軽なウェブサイト構築に使いたいと思っているとしたら、どのように価値を加えることができるでしょう?ユーザーの暮らしに価値を加えられる機能にはどんなものがあるでしょう?こうした検討のプロセスを経て、共感マップが実行可能なタスクへと変わっていきます。

7. 内容はシンプルに

ユーザー分析はあくまで製品関連の要素に絞るようにしましょう。対象のユーザーにはダイエットに苦戦している人もいるかもしれませんが、開発対象の製品がカレンダーアプリであれば関係ありません。この点を念頭に置くことで、あまり構えずに取り組むことができます。

8. 参照する

共感マップをユーザーペルソナなどの他の UX ツールの置き換えに使うことはできませんが、参照のためのツールとしては最適です。共感マップを紙ベースでチームメンバー全員に配っておけば、作業中にも参照しやすくなります。また、クラウドベースのマップへのリンクを送信して、好きなときに見られるようにすることもできます。

1人で共感マップを作るよりも、作りながら関係者やチームメンバーにいろいろと相談してみるのがよいでしょう。マップがひとたび完成したら、どれだけユーザーを理解できているか、ユーザーに本当に共感できているか、付加価値を提供できる製品を作れることを嬉しく感じているか、チームで確認してみます。これができていない場合には、ボードに戻り、チームで共通認識ができあがるまでマップの調整を続けましょう。

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