
共感マップとは?メリットや作り方
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UX デザイナーや CX リサーチ担当者の大きな強みに、ユーザーに対する共感が非常に強いということがあります。こうした共感は単なる勘によるものではなく、定性的なフィードバックや調査に基づくものです。ただ、データがあまりに膨大だと、チームの他のメンバーにプレゼンするのも難しく、そうした情報から実行可能な計画を立案するのも簡単ではありません。
ここで役に立つのが共感マップ。強力な成果が期待できるシンプルなビジュアルツールです。この記事では、苦労して勝ち取ったユーザーの共感を有意義に活用するために役立つ便利な共感マップの作り方を説明します。
共感マップとは?
共感マップとは、マップというより4つの象限に区切られたグラフィックに近いもので、個人やチームでユーザーを視覚化するために活用できるツールです。特に、別のメンバーが担当するユーザーのニーズを深く掘り下げて理解する上で役立ち、製品デザインの品質向上に最適なツールです。チームでデザイン思考を取り入れている場合には、共感段階に追加すると便利でしょう。
共感マップのメリット
- ユーザージャーニーの作成:ユーザーを理解できれば、自社製品とユーザーのインタラクション・操作方法も予測しやすくなります。
- 実用的なデザインの実現:独創的なデザイン計画も、ユーザーが望まないものであれば無用の長物です。共感マップを使うことで、ユーザーの希望に合わせて機能を微調整できます。
- ユーザーニーズのマッピング:ユーザー自身でも気づいておらず、満たされていないユーザーニーズを特定するのに役立ちます。
こんな風に考えてみましょう。例えば、サンタクロース役を買って出て、オンラインでこっそりプレゼントを購入するとします。もし、プレゼントをもらう人のことをよく知らず、「犬好き」くらいしかわからなかったら、骨型の消しゴムなど、買えるものは限られるはずです。
これとは逆に、その人について、ウィスコンシン州に住み、キャセロールという名のグレートデンを飼っていて、ハイキングが好きなど十分な情報があれば、その人に合った役に立ちそうなプレゼントを買えるでしょう。共感マップも同じで、デザイン関連で行う意思決定を明確にするのに適しています。一つ一つの機能をプレゼントのようなものと捉えれば、共感と理解に基づいて開発すべきというのもうなずけます。
ユーザーへの理解が深まるほど、提供できる価値も大きなものになります。ユーザーの支援者とも言える立場から、その暮らしを改善できるという満足感も感じられるようになります。一見単純に見えるマップですが、決してあなどれない大きな力を秘めています。
共感マップの形式
共感マップには以下の4つの象限が含まれます。
発言
リサーチの過程でユーザーから得られた直接の発言を含めます。以下に例を示します。
- Cookieを承諾するのが本当に嫌で、そもそもCookieが何なのかもわからない。
- ログイン後にはどうしたらいいですか?
- このドロップダウンメニューが変です。
行動
ユーザーの行動からは貴重な洞察が得られます。口で言っていることと実際にしていることが異なる場合もあります。こんな行動に気がつくでしょう。
- 直感的に上へスワイプする
- 決済時に Apple Pay を使用しようとする
- カートの内容を放棄する
思考
実際にユーザーの考えを読むことはできませんので、この象限には推測が混じりますが、これまでの情報や背景を元に推測してみましょう。ユーザーの思考としては、以下のようなものが考えられます。