プロジェクトスコープ記述書の書き方

プロジェクトスコープ記述書の効果的な書き方

読み取り時間 : 約1分

比較的よくあることですが、変化し続ける目標に向かって努力するほど腹立たしいものはありません。例えば、ある機能セットの提供のために何か月もかけて作業を進めた後に要件が変わり、6か月で終わるはずのプロジェクトが突然8か月以上に伸びてしまったら、どうでしょう。

ギリシャ神話のシーシュポスは大岩を永遠に山頂まで担ぎ上げる苦行を強いられましたが、こんな苦行をチームに強いるのは避けたいものです。極端な例のようにも思えますが、プロジェクトの要件や成果物が絶えず変わっていくと、チームメンバーは果てしない山を登っているような感覚に陥ることがあります。

これを避けるためには、プロジェクトの成果物を設定し、それを守ることが大切です。そこで登場するのが、プロジェクトスコープ記述書、つまり作業範囲記述書 (SOW) です。

プロジェクトスコープ記述書とは、プロジェクトの要件を概説し、プロジェクト開始前にステークホルダーとの間で期待するレベルについて調整を行うためのものです。

この記事では、プロジェクトスコープ記述書とは何かを説明し、内容や例をもとに効果的なプロジェクトスコープ記述書の書き方と作成方法をご紹介します。

プロジェクトスコープ記述書とは?

プロジェクトの管理や計画において、スコープとは、製品自体 (プロジェクトの成果物) の要件と、その製品を生み出すために必要な作業を指し、それぞれ製品スコープ、プロジェクトスコープと表現されることもあります。

スコープ記述書とは、簡単に言えば製品スコープとプロジェクトスコープの両方を正式にまとめた文書です。新しいプロジェクトに着手する前にはチームメンバーやステークホルダーとの間でプロジェクトのスコープについて合意を形成する必要がありますが、こうした要件を文書にまとめれば、基本的なスコープ記述書が出来上がります。

スコープ記述書を作成することで、チームで事前に期待すべき水準を設定し、プロジェクトのライフサイクルを通じて説明責任を果たし、プロジェクトのコスト、要件やタイムラインが管理不能となるのを防ぐことができます。

プロジェクトのスコープ設定はステークホルダー全員の意見を取り入れながら共同で進めますが、この際にファシリテーションの役割を務めるのがプロジェクトマネージャーで、スコープ記述書の作成や更新も担当し、各ステークホルダーが確実に最新のバージョンにアクセスできる状態を保ちます。

プロジェクトスコープ記述書の書き方と具体例

実際にプロジェクトスコープ記述書を作成する際には、具体性が重要です。作成の主な目的は合意されたスコープを文書化することと至極シンプルですが、この「スコープ」という言葉の定義は幅広く、プロジェクト計画の側面の多数が含まれます。

これを少し分解してみましょう。スコープ記述書は、以下の重要な要素を盛り込んで作成していきます。

プロジェクトの目標

プロジェクトで達成すべきこと、また、プロジェクトの目標と会社の目標との整合性について考えます。

やりすぎのように思えるかもしれませんが、プロジェクトのビジネスケースを明確に定義しておけば、将来的に面倒を避けることができます。プロジェクトが一旦始まると、ステークホルダーから要件追加の要請が必ずあるもので、こうなるとプロジェクトのスケジュールや予算の変更を強いられますが、要請を断るのは難しいでしょう。

プロジェクトの目標を明確に文書化しておくことで、追加の要請についても評価しやすくなります。要請された変更がプロジェクトの目標や定義したビジネスケースに沿ったものであれば、適宜スコープの調整を検討することもできますが、そうでない場合には却下します。

主な成果物

最終的に顧客に提供するものが何かを考えます。必要に応じて、大きな成果物を構成要素別に分解することもできます。

スコープ記述書の中では、成果物を明確に定義することが非常に重要です。簡潔な表現で分かりやすく定義しましょう。

顧客の期待とチームの期待にギャップがあると、問題が発生します。これを避けるには、プロジェクトの開始前に成果物について徹底的に話し合い、記録しておくことが一番です。

主なマイルストーン

期待のすり合わせを行うには、成果物を明確に定義することに加え、マイルストーンを設定することが大切です。プロジェクトの各要素を完成させるタイミングを決めておきましょう。

マイルストーンは、チームが予定に沿って作業を進め、顧客とのコミュニケーションを円滑にする上で役立ちます。プロジェクトのマイルストーンに到達するたびに顧客と確認の場を設け、現在制作中の製品はそのビジョンに沿ったものかどうかを確認します。ビジョンから外れているようであれば、それを早い段階で認識するのが重要です。定期的に確認を行うことで、各マイルストーンで調整を行い、ビジョンとの整合性を保つことができます。

タイムライン

タイムラインとマイルストーンには密接な関係があります。プロジェクトタイムラインには、プロジェクトとその完成に必要な作業を最初から最後まで盛り込みますが、ここに途中のマイルストーンも含めておきます。

タイムラインは、社内向けと社外向けの2種類を作成することもできます。タイムラインはチームが予定通りに作業を進め、顧客に進捗状況を伝える上で便利ですが、チームメンバーと顧客がそれぞれ必要な情報は違うからです。

前提条件

プロジェクトの今後の展開を正確に計画することはできず、未知の部分は常にありますが、これは至極当然のことです。重要なのは、プロジェクトの開始時点である程度の前提条件を設定しておくことです。

プロジェクトの開始時点でのタイムライン、予算や機能などに関連する推測は、スコープ記述書の前提条件のセクションにもれなく記録するようにします。

制約

プロジェクトに影響しうる制約、例えば時間、資金、リソースなどについて検討します。

プロジェクトの制約条件を考える際には、ガイドラインや顧客に課せられた制約条件も合わせて検討する必要があります。

レポート

タイムラインと同じく、レポートにも顧客向けのものと社内向けのものがあります。プロジェクト期間を通じて顧客、チームメンバーやステークホルダー向けにレポートを作って配布し、プロジェクトの状況を伝えるようにします。

こうしたレポートが、プロジェクトを予定通りに進め、説明責任を果たす上で貴重なツールとなります。

合意

プロジェクトのスコープ設定は、顧客とチームメンバーの期待水準をすり合わせ、ステークホルダー間に合意を形成することを目的としたものです。この内容は書面で記録しておくようにしましょう。

プロジェクトスコープ記述書が完成したら、必要なステークホルダー全員に署名してもらいます。こうすれば、プロジェクトの進行中にスコープ変更の要請があった場合にも、その人が開始時に一連の条件に同意したことを文書で示すことができます。

プロジェクトスコープ記述書を効果的に作成するためのヒント

プロジェクトのスコープ設定をわざわざ行うならば、その効果を最大化したいものです。以下では、簡潔で効果的なスコープ記述書を作成するための4つのヒントをご紹介します。

1. 具体的に作成する : スコープ記述書は詳細な内容ありきのもので、より多くの情報を含めることが望ましいといえます。プロジェクトのスコープ設定の要点は混乱を解消し、期待するレベルを調整することにあり、記述書の内容が曖昧だと逆効果になってしまいます。できるだけ具体的に、特に成果物の定義は詳細に記述します。

2. ビジュアルを使う : 大量の文章がひたすら並んだ文書を読むのは辛いものですが、スコープ記述書はまさにそうしたものになりがちです。ステークホルダーの関心を高め、適切に情報を提供するため、文書にはビジュアルを組み込みましょう。

ビジュアルを手軽に取り入れるには、Lucidspark がおすすめ。バーチャルホワイトボードで手軽にスコープ記述書を作成してテキスト、図などのビジュアルを組み合わせ、詳細で視覚的に美しく、効果的な文書に仕上げることができます。

3. 作成はチームで行う : プロジェクトマネージャーにはプロジェクトのスコープ設定を進める責任がありますが、一人ですべてのプロセスを引き受ける必要はなく、チームのまとめ役となることが大切です。チームメンバーはそれぞれが違った役割で製品開発に関与しますが、各自の役割と必要な作業を一番よく理解しているのは、他の誰でもないメンバー一人ひとりなのです。

効果的なスコープ記述書を作るには、そうした各自の知識を活用してグループで作業を進めましょう。チーム全員で集まり、メンバーの意見を組み込みながら文書を作成していきます。

4. 承認を得ておく :スコープ記述書を作っても、チームメンバーや他のステークホルダーがそれを無視するようだと意味がありません。合意が得られたスコープを盛り込んだ作業範囲記述書とするため、プロジェクト計画の次の段階に進む前に各ステークホルダーから承認を得ておくようにしましょう。

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